『人間は、生涯で何人まで子供をつくれるのか?』

 以前に、150人の子供をもつ男性がいるというニュースを紹介しましたが、今回はそれを遥かに上回る1171人の子供をもうけた男性がいたというニュースを見ましたので、以下、転記によりご紹介します。
 精子提供活動の中で、「2人目を欲しいけど親のエゴではないか」と心配される方もいらっしゃいますが、このニュースを見ると、そのようなお悩みも杞憂にすぎないと感じていただけるかもしれません。

 

 ◆◆◆ 以下、記事転記 ◆◆◆ 

 いつの世でも「子に過ぎたる宝なし」といわれるように、子供はかけがえのないもの。

 チャップリンは、70代で子供を授かり、モロッコ王国最盛期の皇帝ムーレイ・イスマーイールにおいては、55年間(1727-1672)にわたる統治時代に少なくとも1171人の子供をもうけたといわれています(ギネス世界記録には歴史的に証明できる子孫の最多数888人として掲載)。ただし、彼の場合は、一人ではなく、何百もの女性との間にもうけた子供となりますが。

 その他にも、360人以上の子をもうけたポーランド王アウグスト2世をはじめ、巨大なモンゴル帝国を築いたチンギス・カンなど、歴史上には百人以上もの子供を産ませた男性が実在するようです。

 総合科学ジャーナル「Nature(2015.1)」で発表された論文によると、チンギス・カンの子孫は今や1600万人にもおよぶと考えられています。

 まさに驚くべき数ですが、実のところ私たち人間は、生涯で何人まで子供をつくることが可能なのでしょうか?

 ここでは、一人の人間が生涯にわたってつくれる子供の数について、男女別に科学的に考えて紹介します。

◆女性が生涯にもうけられる子供の数

 女性は、月経がみられる思春期から閉経期まで、生涯の約半分にわたって子供を産むことができます。

 そのなかでも、妊娠期間をあわせると最大でも年に1度までしか出産できないので、男性ほど多くの子供をつくることはできません。

 ある研究では、女性は生涯にわたって約15回妊娠でき、一度に出産する人数にもよりますが(双子や三つ子が生まれる可能性などを考えると)、15人から最大でも30人までの子供をつくることができると示されています。

 しかし、世界には科学者の予測を上回るほどの驚くべき女性がいます。

 ギネス世界記録によると、19世紀のロシアには、生涯で69人もの子供を出産した女性がいます。ヒョードル・ワシリエフ夫人です。

 彼女は、四つ子(4組)、三つ子(7組)、双子(16組)など27回にわたる多胎妊娠の世界最多記録に加え、一人の女性が生涯で産んだ子供の数の最多記録保持者でもあります。

 しかし、そんなワシリエフ夫人でも、モロッコの皇帝ムーレイ・イスマイルには及びません。

◆男性が生涯にもうけられる子供の数

 記録によると、アラウィー朝モロッコの残虐な皇帝として知られるムーレイ・イスマイルは、4人の妻に加えて、500人以上の女性からなるハーレムをもっていました。

 しかし、皇帝でさえもコントロールできないことがあります。加齢にとともに、男性の精子の運動率や性能は低下し、数も減少するため、必然的に晩年は父親になれるチャンスも減っていくことです。

 研究では、男性は、50歳を超えると、30歳未満の男性に比べて女性を妊娠させられる可能性が最大で38%低下することが示されています。

 現に、ムーレイ・イスマイルの子供のほとんどは彼が比較的若い頃にもうけられたものだと考えられています。フランスの外交官ドミニク・バスノーの報告によると、彼は57歳のとき、すなわち、32年間の統治期間がすぎた1704年にはすでに1171人の子供がいたというのです。

 18世紀のポーランド国王アウグスト2世においては、離れて暮らす妻とは別に、数々の愛人たちと関係をもち、370人近くの子供をもうけたといわれています。

 13世紀のアジアで大規模な領土を征服したチンギス・カンに関しては、一説では1000人とも2000人ともいえる子供をもうけたと推測されています。

 事実、レイセスター大学の遺伝学研究チームの研究では、男性のY染色体を調査し、追跡した結果、今日、チンギス・カンゆかりの地や人には、彼の遺伝子を引き継ぐ男性が、最大で1600万人は存在すると考えられています。

 しかし、これらの歴史上の男性は、生涯において一人でこれほどの子供をもうけることが本当に可能だったのでしょうか?

◆結論

 科学者の幾人かは、一人の男性がこれほど多くの子孫を残せる可能性は低いと否定的でした。

 しかし、コンピューターのシミュレーションによって、イスマイルが仮に一日に平均0.83回から1.43回の性交渉を行い、それを32年間にわたって続けた場合、本当に数百人の子供をつくれるという可能性が見出されたのです。

 さらに、計算では、女性の月経周期なども考慮して、これほど多くの子供の父親になるためには、500人のハーレムは必要とせず、65人から110人のハーレムで十分であることも分かりました。

 それを現代の男性と比較して考えると、多くても200人だといわれ1171の子供をもつ父親なんて、どこを探してもいないかもしれませんが。

 ◆◆◆ 以上、記事転記 ◆◆◆ 

【引用】
「人間は、生涯で何人まで子供をつくれるのか?」
知力空間,2018年12月19日
https://cucanshozai.com/2018/12/how-many-children-can-human.html

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