『R3.2月の日記』

2/1 精子を守るための10カ条として、1「禁煙」、2「ブリーフよりもトランクス」、3「飲酒は適量に」、4「長風呂、長サウナは控える」、5「自転車・バイクに乗りすぎない」、6「放射線に要注意」、7「育毛剤を飲まない」、8「規則正しい生活」、9「膝上でノートPCを使わない」、10「禁欲しすぎない」が挙げられます。特に、4「長風呂、長サウナは控える」、8「規則正しい生活」、10「禁欲しすぎない」は、誰にでも当てはまる日常生活でのこであり注意が必要です。4の注意点は「精巣付近の温度が高いと精巣の機能が衰えてしまうので、あまり長く風呂につかりすぎないほうがいい。」、8の注意点は「食生活の面では、ビタミンC、Eを摂取すると、精子の質を上げることができる。」、10の注意点は「精子の生存期間はおよそ3日間であり、それ以上ためると、死滅精子(非運動精子)が増えてしまうため、精子の質をよくするには、禁欲期間は1~2日ぐらいがちょうどよい。」とされています。精子ドナーは、依頼者により質の高い精子を提供するために、日々ストイックなくらいの生活をしています。

2/2 遠距離間で郵送(速達)による精子提供が行われているようです。ドライシッパー(液体窒素を充填済み)ではなく、TENGAヘルスケアの精液運搬用保温器「SEED POD(シードポッド)」に入れられ、転倒しないように箱詰めされたものが届くそうです。シードポッドは返送する必要もなく使い捨てのようです。複数回提供を受けられ方は、年齢的なこともあるためか、妊娠には至らなかったそうで、妊娠率は不明ですが、24時間以内であれば可能性はゼロではないのかもしれません。

2/3 郵送による精子提供の流れは次の方法によるそうです。1「希望日の当日朝に、精子を採取」→2「午前のうちに速達で発送」→3「指定住所にお届け(都内なら当日午後)」→4「到着したら出来る限り早く、容器からシリンジで精子を取り注入」。<備考>1「住所氏名など公開したくない場合は郵便局留めにて、ご指定のニックネーム様宛に送付」、2「精子は寒さに弱いので、保温対策をして送付」。この事実には、正直、驚きました。性感染症、精子の質の保証もなく、手渡しによる方法より、遥かにリスクが高いため、女性側は十分気をつけなければなりません。

2/4 体外受精の方に精子提供を行いました。医師も「良質な精子」とおっしゃられたそうです。「体外受精での受精率は70~80%」、「初期胚から胚盤胞にまで育つ受精卵は約50%」と言われます。すなわち、10個の卵子に体外受精を行ったら平均7~8個の卵子に受精が起こり、更にそのうち3~4個が胚盤胞になるということです。胚盤胞1個当たりの費用でいえば高額かもしれませんが、命の源泉と考えれば許容できると思います。

2/5 体外受精で妊娠するには15個程度の卵子が必要というといわれています。1個でも良質な受精卵と良好な子宮内膜の着床環境が整っていれば妊娠は成立しますので、確率にとらわれ過ぎなくてもよいかと思いますが、参考にURLを貼っておきます。
(参考)https://www.sakudaira-angel-clinic.jp/blog/fertilization/2276/

2/6 ご依頼者様から「未来かなえ様は本当に私にとって救世主です。」とのお言葉をいただきました。世界平和のような崇高な理念があるわけでもなく、精子提供を行っただけで、ご妊娠に至っているわけではありませんが、お一人お一人に寄り添うことがモットーなので、お悩みを少しでも軽くできているのでしたら活動冥利に尽きます。

2/7 妊活には「ご褒美ランチ」が必要です。「ご褒美ホールケーキ」でも構いません。毎月、頑張った自分に飴をあげてください。

2/8 シングルマザーは婚活男性に好かれます。男性は、自立して子育てしている母親ならではの母性本能に強い魅力を感じます。子どもを含め自分以外の人を優先する仕草に男性は居心地の良さを感じます。精子提供によりシングルマザーになられた方は通常遺伝子上の父親である精子ドナーとは関りを持たないため、婚活市場において引く手数多かもしれません。

2/9 女性たちが「おじさんと付き合う条件」として断トツ1位にあげたものは「清潔感」です。実に、84%の女性が条件として挙げています。清潔感は、30代以上の精子提供ドナーにとって、依頼者の女性に会うための最低限のエチケットではないでしょうか。精子提供活動を行うに当たっては、精子の質と量だけでなく、容器や身嗜みも「清潔であること」を重要視しなければなりません。

2/10 先日、顕微授精用に精子提供させてただきましたが、精液検査の結果は良好でした。精液量は基準値の4倍もあり、Aランクでした。

2/12 不妊の原因、その半分は男性といわれています。婚外子の比率は、フランスで5割強、米国で4割に達している。日本の2%という現状は、先進国の中で際立って低い。女性が若くして子どもを産める社会システムを構築するには、精子提供を認めることも真剣に議論すべきだと考えています。

2/13 経験上、妊娠率を上げるには、排卵予定日の3~4日前から、1日おきに2~3回の精子提供を、最寄りの15~20分ほど横たわれるスペース(ホテル、ネカフェ、自宅)で試されるとよさそうです。

2/14 新型コロナ蔓延防止のため、勤務の振替制度を始めている会社があります。出勤日を振替ることで、仕事を一日も休まずに、不妊治療や精子提供を続けることもできそうです。

2/15 性交渉の頻度が高い女性は閉経が遅いとする研究論文が2020年にイギリスで発表されています。閉経期が近い女性で、高い頻度で性交渉を持っている場合は、それほど性的に活発ではない同年齢の女性に比べて閉経が遅くなるとのことで、平均して週に1回以上の性交渉を持つ女性は、性交渉の頻度が月に1回未満の女性と比べると、閉経期に入る割合が28%少なかったとしています。

2/16 「女の子」のご妊娠が8人続いており、確率としては1/256になります。八姉妹というのは聞いたことがありませんが、元気で可愛い赤ちゃんを出産されおり、偶然にしては出来過ぎていると感じています。どちらかというと、男の子より女の子を希望される方が多く、大変喜んでいただいています。

2/17 今日はとても大切な方と素敵なひと時をご一緒させていただきました。この1年間で最も幸せな一日でした。妊活には、いい意味での息抜きが必要で、心身ともにリフレッシュすることにより、精子や卵子にも良い影響が生まれてくると考えています。

2/18 妊婦のワクチン接種は、臨床試験データが十分集まっていないことから「努力義務」から除外され、一般と同じ「勧奨」になるようです。この厚労省の方針について、妊婦はワクチン接種を受けるかどうか余計に悩んでしまうのではないでしょうか。そもそも妊婦を「努力義務」としようとしていたことにも違和を覚えます。

2/19 7年におよぶ不妊治療のすえ、女優の小松みゆきさんが49歳で無事に女の子を出産されました。42歳頃に不妊治療を開始し、タイミング法、人工授精を経て高度不妊治療の顕微授精を14回以上行い、費用は1000万円以上に及んだそうです。49歳8か月での出産は、不妊治療を受けている多くの患者に、大きな勇気を与えることになりそうです。

2/20 小松みゆきさんが、なぜ妊娠できたのか。その答えは「老化を遅らせる生活」にあるそうです。煙草をやめ、動物性のタンパク質は鶏肉と魚だけ、添加物の多い食品はとらず、白砂糖をやめキビ糖や黒糖にしたことで、AMHの数値が良くなり、お肌の状態も以前より良くなったそうです。染色体異常のない受精卵なら高い確率で着床することから、体全体の老化を遅らせるための生活を送るよう努めることが大事なのかしれません。

2/21 体外受精用に精子提供させていただきました。病院指定の採精容器をお渡しいただく際に、寒いので手が温まるようにとホットのペットボトルお茶をいただきました。ご自身のことで大変な中でのお気遣いに心まで温かくなりました。お見送りの際に「頑張って」とお伝えしましたが、頑張っている方に頑張ってというのは良くないと思いつつも、他に思いつく言葉がなく困ってしまいます。

2/22 体外受精の採卵で20個もたまごが採れたそうです。数の多さや卵巣の腫れも出血もどこも異常無いことに、医師も看護婦もびっくりされていたそうです。もちろん、精子の結果も良かったそうです。

2/23 体外受精において、受精率が65%だったとのご報告をいただきました。卵子1個に対して精子が3~4個入ったりしたようで、元気過ぎたみたいで、培養士さんが笑っていたそうです。精子が元気過ぎるのも一長一短があるかもしれないので、運動率や精子濃度は意図的に低くできませんが、今後は、依頼者様のご希望を踏まえ、精液量をあえて少な目にするなどにより、精子の数を調整をしたいと思います。

2/24 2月23日は「夫婦で妊活の日」 でした。妊娠は夫婦で二人三脚で取り組むものとの意味を込められています。男性の4人に1人は精子の状態が悪く(精子濃度・精子運動率・精液量のいずれかがWHOの定める下限基準値を下回る)、男性要因で自然妊娠が難しい可能性があります。妊娠を望む場合は男女ともに正しい知識を身に付け、早いタイミングで自身の状態を確認することが大切といえます。

2/25 元バレーボール日本代表の大山加奈さんが2月19日に双子の女の子を予定帝王切開で出産されました。長い不妊治療の末に授かった双子の赤ちゃんだけに、何事にも代えがたい奇跡と呼べる幸せを実感されています。逆に言えば、赤ちゃんを授かろうとするには、苦労を乗り越える覚悟が必要ということなのでしょう。

2/26 新型コロナウイルスワクチンによる妊娠への影響はあるのでしょうか。最新情報として、米国や英国の産婦人科専門機関は、ワクチンによる「妊娠能力への影響」について、過去の知見や作用機序、安全性プロファイルを元に、「妊娠能力に影響は与えないと考えられる」としています。SNS等では「新型コロナウイルスへのワクチンによって不妊症になるかもしれない」といったような情報が一部で流れていますが、そのようなことを示唆する科学的根拠は報告されておらず、各国の公的機関も総じて不妊症への懸念を明言していません。

2/27 アメリカ発GPS機器のパイオニア、Garmin(ガーミン)は、女性が抱える身体の課題を解決する「フェムテック」を充実すべく、自社スマートウォッチシリーズと連動して活用するモバイルアプリ「Garmin Connect」に、新たな女性向けヘルスケア機能として「妊娠トラッキング」機能を搭載すると発表しました。フェムテックとは、「Female(女性)」と「Technology(テクノロジー)」をかけあわせた造語で、女性が抱える健康の課題をテクノロジーで解決する商品やサービスのことをいいます。妊娠トラッキングの主な機能として、「妊娠週数ごとに胎児の成長(大きさ)を表示」、「妊娠週数に応じて栄養や運動に関するヒントやアドバイスを提供」、「妊娠に伴う吐き気、めまいや疲労などの症状を記録」、「胎児の動きを記録」、「妊娠週数ごとの推奨体重の範囲を確認」などが挙げられています。

2/28 男性不妊の原因が明らかな疾患の中で最も多いのが「精索静脈瘤」です。一般男性でも15%、不妊男性の40%以上にみられ、2人目不妊の78%の原因になっています。精液所見の悪化、精子のDNA損傷などを引き起こします。顕微鏡下手術をすれば約8割の人は精液所見が改善するので、自然妊娠も可能で、最終的に人工授精・体外受精・顕微授精などの婦人科的治療を行うにしても、精索静脈瘤を治しておいた方が、その成功率は高まるそうです。精液検査で「乏精子症・精子無力症」が分かったら、男性不妊を専門とする泌尿器科医に診察してもらった方がよいと言えそうです。