『R3.7月の日記』

7/1 フランスでは、既婚、未婚問わず全女性に人工授精の権利が認められました。また、女性同士のカップルが提供精子で子供を持った場合、2人とも親として認められることになりました。また、フランスで精子・卵子バンクは公的機関が運営しており、人工授精には健康保険が適用されることにもなりました。更に、精子提供で生まれた子供に、ドナー情報の開示を認める「出自を知る権利」を定めました。生命倫理の観点から、代理母出産の容認については「越えられない一線」として否定していますが、画期的な制度改正をたたえたいと思います。なお、既に、ヨーロッパでは、イギリス、スウェーデン、スペインが、既婚、独身を問わず女性が精子提供を受ける権利を認めています。

7/2 国内初の民間精子バンクが誕生します。名称は「みらい生命研究所」で、本サイト「みらいかなえ」と類似しています。提供料金が1件あたり15万円程度であることや、精子ドナーが「匿名」を選択できることなど、運営上の課題は多いものの、年間500件の精子提供を目指すとしています。ただし、精子の質・費用・スピード・安全性・非匿名性・実績という点では、精子提供の本家本元である「みらいかなえ」の方が何倍も優れていることをお約束いたします。それにしても、ここまで精子提供が一般化してしまうと、一夫一婦制の議論が必要となりそうです。

7/3 複数の精子ドナーが登録された精子提供マッチングサイトが10以上存在しています。どのサイト運営者もやりとりには介入せず、書き込まれたドナー情報は自己申告で真偽は不明です。人工知能(AI)による自動マッチングを売りにしているサイトもあり、海外の大手民間精子バンクが日本でもPR活動を開始するなど、精子の「モノ化」が急速に進んでいます。既に、全国で1万人程の男性が精子提供活動をしていると考えられ、これは20代~40代男性2000人に1人程の割合です。

7/4 「ワクチン接種で不妊になる」という情報はデマなのでしょうか。コロナウイルスのスパイクたんぱく質と胎盤のたんぱく質は似ておらず、ワクチンの胎盤への悪影響はないという検証の結果が確認されており、妊娠中、妊娠を計画の方も接種可能となっています。しかし、未知のワクチンなので、妊活中の方や妊婦、赤ちゃんに与える長期的な影響は分からないというのが正直なところだと思います。ワクチンに対して不安な思いが消えず、接種しない選択をされた方のために、パートナーの方や妊娠・出産に直接関係のない周囲の方が接種することが重要です。

7/5 日本政府は、不妊治療の保険適用範囲について、体外受精、男性不妊手術、2回続けて流産した女性に対する流産回避の目的で行う着床前検査、「バイアグラ」など勃起障害の治療薬を使った男性不妊の治療を対象とする方針を固めました。2022年度からの導入を目指すこととしています。

7/6 不妊治療の支援制度が充実しても、それを使えなければ意味がありません。企業としては、不妊治療と仕事の両立について相談を受ける窓口を設け、必要があれば上司とのコミュニケーションを仲介する。そんな、使える制度や働き方を一緒に考える環境整備が求められます。

7/7 今年も七夕は雨でした。しかも、天の川が氾濫するかもしれないくらいの大雨でした。20年以上前に「7月7日晴れ」という映画を観ましたが、七夕に晴れた日は数えるほどしかありません。願い事ではありませんが、来年こそは晴れて、彦星様と織姫様が会えますように☆

7/8 クリスティーナ・オズタークさんが「23歳にして21人の子供を持つ女性」として話題となっています。お腹を痛めて産んだ長女の他に子供20人を代理出産で授かられています。16人のナニーを雇われていることにも驚きですが、「子供は100人欲しい」と明かしているそうです。更に、資産家の夫のガリップさん(57歳)には前妻との間に9人の子供がいるそうです。ちなみに、大家族と言えば、22人の子供がいるイギリスのラドフォード一家が有名なようです。

7/9 「コロナと妊娠 不安への目配り十分か」という社説を見ました。長引くコロナ禍において、妊婦や妊娠希望者が抱いている不安に寄り添う支援が求められています。

7/10 316gで生まれた女の子が、小学生になり、身長、体重とも、周りの同級生と変わらないまでに成長しました。弱視はありますが、夢を持ち、友達と元気いっぱいに遊んでいるそうです。現代の医療技術や周囲のサポートがあれば少々の壁は乗り越えられます。

7/11 デンマークに住むゲイカップルが「代理出産」を通じて子どもを持つことを希望しています。デンマークでは違法とされているため、現在は「レインボー・ファミリー」、「養子縁組」、「海外での代理出産」の3つの選択肢しかないようです。海外の代理出産には多額の費用がかかりるものの、一番の課題は違法であることだそうです。

7/12 中国が「3人っ子政策」を導入し、産児制限を緩和する方針を示しました。しかし、国民は、生活費や子育て費用の高騰等により、出産への意欲や関心をまったく示さないようです。

7/13 人の受精卵(胚)を培養する研究について、国際幹細胞学会が指針を改定し、14日超の培養を容認する見解を示しました。これにより、流産の予防や遺伝性疾患解明につながる研究の進展が期待されます。

7/14 不妊治療中(妊活中)にコロナワクチンを接種しても大丈夫ですかというご相談をいただきますが、仙台ARTクリニックの副院長は「コロナワクチンが不妊につながるという科学的データはなく、また、接種後も避妊期間はなく、不妊治療(妊活)を継続して大丈夫」とコメントしています。

7/15 熊本市長が厚生労働省に対し、危険な孤立出産を防ぐために母親が匿名で出産できる「内密出産」の制度や妊娠に悩む女性の救済とその子どもの権利を守る法整備を国へ要請しました。熊本市にある慈恵病院に「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)の開設から約10年。熊本市は「内密出産」に対する国の積極関与や法整備を求めていますが、なかなか動きは鈍いようです。

7/16 熊本大発生医学研究が精子形成に関与する新たな遺伝子を発見しました。この遺伝子が正常に働かないと精子が作られないことが判明したそうです。男性不妊につながる無精子症の病態解明や、生殖医療への応用が期待されます。

7/17 複数個の卵胞が育つと、排卵が遅くなる傾向があり、タイミングを合わせにくくなるため、一概に妊娠率が高まると言えるものでもありません。また、タイミングを合わせられたら合わせられたで、多胎妊娠になる可能性が高まります。双子を望まない方もいらっしゃるとはいえ、授からないことに比べたら贅沢な悩みなのかもしれません。

7/18 北野天満宮境内にある白太夫社に参拝してきました。知る人ぞ知るではありませんが、子授けの神が祀られた子宝・安産祈願の穴場的スポットです。学問の神様ともご縁がある社なので、賢い子を望まれる方にとってはオススメかもしれません。

7/19 最高気温が36℃以上となってきました。精子は熱に弱いため、日中の精子提供には保冷ポッドがあると安心です。

7/20 不妊治療クリニック最大手の英クリニックでは、精子のコンディションに特に大事な「禁欲期間」について言及しています。妊娠に最適な禁欲期間は、これまでの定説「5日~7日」を覆して、1日か2日が望ましい。」と結論付けています。精子ドナーとして、この情報はとても参考になります。

7/21 子宝・安産祈願の神頼みは、人事を尽くして天命を待つという感じで行っています。例えば、受験の前ではなく、受験の後にお参りする感覚です。平和記念公園に千羽鶴とともに平和の祈りを捧げているというイメージが近いでしょうか。他の人の幸せを願うときに参拝しています。個人的には、子授けの現人神が祀られた社が御利益があるように感じています。

7/22 NHKスペシャル「人体Ⅱ遺伝子(1)」を見ました。DNAのうち2%が遺伝子ですが、残り98%は「トレジャーDNA」と言われており、唾液に含まれるその98%のDNAで顔が再現できることも分かりました。研究が進めば、容姿だけでなく、性格も遺伝子で解明できるようになるそうです。また、海の遊牧民と呼ばれるバジャウ族は、族内婚によるものかもしれませんが、10分間水中に潜れる特別な能力が遺伝により継承されています。一方で、突然変異の遺伝子が70個程あり、両親にはない才能を持っているそうです。病気にならない「ヒーローDNA」を持っているかもしれません。もちろん、生活環境など後天的な要素も人体には影響するので、ヒーローDNAを持っているからといって不摂生など油断は禁物です。

7/23 東京オリンピックの開会式がありました。バッハ会長は「オリンピックコミュニティ」という言葉をキーワードにしていましたが、選手たちは喜び合うというより、スマホ片手に個人で楽しんでいるという光景が現代っぽくて印象的でした。発展途上国よりも先進国の方がその傾向が強いことも分かりました。スポーツの力で困難を克服するといったコメントもありましたが、そうであれば、文科省管轄とはいえ、一生に一度の甲子園は開催してあげて欲しかったと思います。個人的には、2024年東京、2028年パリに順延するのがベストだと考えていました。ちなみに、ギリシアでオリンピアの遺跡を見たことが就職先を決定付けたこともあり、オリンピックには少なからず思い入れがあります。

7/24 NHKスペシャル「人体Ⅱ遺伝子(2)」を見ました。「DNAスイッチ」が運命を変えるというものです。肥満体質などが精子のDNAのスイッチを介して遺伝するそうです。子どもの健康に良い影響を与えるために、子供を望む男性が1日1時間の有酸素運動を6週間続ける「精子トレーニング」を実践している国もあります。毎日有酸素運動をしている精子ドナーを選ばれた方が、太らない筋肉質なメタボになりにくい体質の子どもを授かれるようです。

7/25 オリンピックで金メダルが続出しています。柔道、水泳、スケートボード…どれも経験のあるスポーツなので感動しています。ただ、柔道があるのに空手がない、スケートボードがあるのにローラースケートがないのは不思議です。

7/26 日本史上最年少(13歳)の金メダリストが誕生しました。やはり、子どもは日本の未来を明るく照らす宝物です。精子提供により、一人でも多くの子どもを授かっていただきたいと思います。

7/27 「子供なんて、いつでも産める」、「若いので自然妊娠で授かれる」と思っていても、現実はそうではないことがあります。不妊症は他人事ではなりません。40代で妊娠・出産したという人もいますが、それはレアケースです。40代で妊娠されたお笑いタレントのだいたひかるさんは、医師からの「元気です!順調です!」との言葉を金メダル級と表現されていますが、それほど奇跡的なことなのです。いつかは赤ちゃんが欲しいと望むなら、早いうちに、体が動くうちに授かっておいた方が、子育て中も子育て後も人生が楽だと思います。

7/28 コロナの感染者数と五輪のメダル数が注目されています。精子提供のドナー数と希望者数も急増しています。

7/29 職場でオリンピックを見ている人はあまりいませんすが、驚異的な視聴率を記録しています。妊活している人も職場では聞きませんが、実は相当数の方が取り組んでいらっしゃるのだと思います。精子提供の潜在的なニーズが気になります。

7/30 アメリカのオリンピック選手が使用するナイキ製で高性能マスクが話題となっています。呼吸しやすいようマスク内にスペースが確保されていて、とても快適です。シリンジ法においても精子の香りが気になる方にはマスクが必需品なので、精子提供用にお洒落なデザインのマスクを用意してみると、妊活も楽しくなるかもしれません。

7/31 金メダルに喜んでいる場合ではないのかもしれません。オリンピック開催により自粛要請の説得力がなくなり、五輪のメダル獲得数より五輪開催に伴うコロナ死亡者数の方が多いように感じます。栄光より命が大事なことは言うまでもなく、そもそも命を天秤にかけることはできません。不妊治療の支援もそうですが、命への支援を最優先に考えるべきです。