『R4.11月の日記』

11/1 不妊治療の保険適用について、専門家が簡潔に解説しています。おさらいに便利です。⇒『2022年4月スタートした“不妊治療の保険適用”、初心者にもよくわかる専門家解説

11/2 女性自身が妊娠できると思う年齢の平均値は「37.3歳」というアンケート結果が出ています。35歳以上の女性が自然妊娠する確率は約20-30%といわれており、女性の生殖能力としての妊娠適齢期とはギャップがあるように感じます。結婚しようと思う年齢も上がっているようなので、少子化は進んでしまいます。また、妊娠したいと思わない理由とし、「子育ての金銭面が不安」という回答がトップとなっています。詳しくはこちらのサイトをご覧ください。『「何歳まで妊娠できると思いますか?」…女性1500人に聞いた平均年齢は「37.3歳」

11/3 出産のご報告をいただきました。日本国憲法が公布された日であり、明治天皇の誕生日でもある「文化の日」。きっと誠実で立派な大人になってくれるに違いありません。

11/4 アメリカ人のシングルマザーがTikTokで「11人の子供たちの父親は8人!」と明かしたことで注目を浴びています。8人の父親が仲良しで、子供の学校の卒業式には8人の父親がプレゼントを持って参加するそうです。「ゆくゆくは30人の子供が欲しい」と願っているようですが、両親や子供が幸せなら、こんな家族の形があってもよいと思います。

11/5 妊娠のご報告をいただきました。いわゆる「12週の壁」を突破してからの突然のご連絡ということもあり、とても驚きました。

11/6 ウガンダの母親が「異常なほど妊娠しやすい体質」で、27年間で44人の子供を出産したことがニュースとなっています。40歳になるまで双子が4組と3つ子が5組を出産しており、医師によると、多産の原因は「卵巣が異常に大きく過排卵(卵巣から正常の排卵数をはるかに超える数の卵子が放出される症状)のために双子や3つ子などの多胎を妊娠する可能性が非常に高くなっていると考えられる」そうで、遺伝的要因によるものによるものだと語っていいます。卵巣過剰刺激症候群と示唆されていますが、不妊治療における排卵誘発剤も同じ効果があるため、適量(副作用のない)排卵誘発剤の使用は、妊活にかなり有効だと言えそうです。

11/7 ウィズコロナ社会の到来によるものかどうか分かりませんが、新規の問合せが増えてきています。

11/8 不妊治療は、女の人だけの問題ではありません。ドナーとして、その不安を軽減できるかどうか分かりませんが、その苦しみや悩みを受け止め、共に立ち向かうパートナーでありたいと思います。

11/9 養子や里子は認められているのに、未婚や同性のカップルが子どもを持つことは認められていない理由が理解できません。血のつながりにこだわらない家族観という点では同じではないでしょうか。精子提供活動により、多様な家族の形ができて、受け入れられる機会が増えることにつながることを願います。

11/10 「まずは仕事を一生懸命やって、妊娠、出産はその後に」と考えられている女性には、まずこの記事『打ち明けられなかった妊娠 48歳で出産した記者が語る現実【高齢出産のリアル】』を読んでいただきたいものです。

11/11 金曜ロードショーで「そして、バトンは渡された」という映画を観ました。血のつながらない父と娘、母と娘の家族のつながりを描いた感動ストーリーで、涙が止まらないほどの秀逸作品でした。

11/12 先週に引き続き、出産のご報告をいただきました。これからは毎年、秋の深まりや実りとともにたくさんのお子様の成長を思い浮かべることになりそうです。

11/13 ドナーの精子を使った不妊治療(提供精子を用いた体外受精)の必要性が、ようやく日の目を見るようになってきました。是非こちらの記事『無精子症の判明で“ドナーの精子”に希望も…不妊治療に壁「理由を誰も説明できない」』をご覧ください。

11/14 採卵時に、直径16~23mmの中等大の卵胞から得られた卵の受精率が一番良好だと言われています。卵胞チェック後のタイミングの参考していただければと思います。

11/15 アメリカでは体外受精に1万5000ドルから2万ドルという高額費用がかかりますが、フランスの生殖補助医療では治療費用の100%が健康保険の適用範囲で行われています。それなのに、女性一人当たりの出産率が大きく変わらず、不妊に悩まされるのは、高齢出産を考えている女性が多いためです。女性因子の不妊の原因としては、これが一番だと思います。

11/16 欧州ヒト生殖医学学会の学術誌で、「40年間で、北米、欧州、オーストラリアで、精子濃度は半減した」と発表しています。 また、フランスでは、精子提供の有償化を禁止した結果、精子が不足し、待ち時間は平均15ヶ月と、精子提供が間に合っていない状況になります。 さらに、スペインでは精子提供は平均60ユーロ、アメリカでは平均1300ユーロという費用がかかります。このことを考えると、日本に無償の精子提供ドナーがいることは、精子の質に多少のバラツキがあるとしても、素晴らしい環境であるといえます。

11/17 オランダでは4歳から性教育が義務づけられています。日本でも、5歳から「からだのはなし」を通して性について学ぶ幼稚園があります。からだの仕組み以外にも、人間関係、多様な性、人権など多くのことを学ぶ必要があります。『国際セクシュアリティ教育ガイダンス』も作られましたが、セクシュアリティ教育について早くから教わることができる 環境が整備されつつあります。

11/18 女優のリン・チーリンさんは卵子凍結されて、47歳で出産されましたが、卵子凍結で高齢出産できることもあります。二人目のためにとっておくこともできます。とはいえ、40歳になると40個凍結しないと妊娠する確率が80%に届かないと言われています。卵子凍結は補助が出ず、体外受精の確率も下がるので、お金の面や妊娠率のことを考えると、先に体外受精ができる人を探した方がいいのかもしれません。

11/19 世界的にみて、女性の社会進出とともに初産年齢が上昇し、子どもを持つ優先順位が後回しになっています。もっと言えば、生存本能が弱まっているようにも思えます。そのような思考を持つのは、動物の中で人間だけなのはもちろん、長い歴史の中でみても現代の人間だけではないでしょうか。

11/20 無精子症の夫婦において、ドナーの精子を使用した人工授精は認められていますが、体外受精は認められていません。なぜ提供精子の体外受精はダメかという理由を医師も誰も説明できない中で、患者の精神的な限界が来ています。こうした現状を受け、東京にある「はらメディカルクリニック」では、学会の見解とは異なるドナーの精子を用いた体外受精の治療に乗り出したようです。不妊治療の現場からは、「実態にあった制度を」との声が高まっており、国が法整備を急ぐ必要があります。詳しくはこちら⇒『無精子症の判明で“ドナーの精子”に希望も…不妊治療に壁「理由を誰も説明できない」

11/21 精子バンクとか精子ドナーについて個人的に肯定的になれなくても、子孫が残せるかどうかの瀬戸際の選択について、自然妊娠が簡単に叶った人や子どもを切望しない人がとやかく言うべき問題ではありません。血が繋がってても繋がってなくても、みんな幸せになっていい、そんな社会にすればいいだけです。

11/22 内密出産に力を入れる熊本市は、全国に先駆け、予期せぬ妊娠に悩む妊婦の相談にきめ細かく応じる「妊娠葛藤相談所(仮称)」を設置する方針を示しました。ネーミングはどうあれ、イチ自治体の独自の取組として評価できるものだと思います。

11/23 妊活中、毎月のように生理と共に来る落胆を、パートナーが共感するのは難しいことです。しかも、10年近くの不妊治療を経て子なしを選択する女性の胸の内は計り知れないものがあります。孫を残す意識は欲と同じで、切り替えることはできても、無くすことはできないようです。そんなとき、パートナーとしては、「子どもを作るために一緒になったんじゃない。子どもができなくてもふたりで楽しい人生を過ごしたい」という言葉をかけてあげたいものです。それが、女性の自己肯定感を取り戻せる救いになると思います。

11/24 妊娠のご報告をいただきました。このまま順調に育ってくれることを唯々祈るばかりです。

11/25 不妊治療を数年頑張っても授からなかったのに、絶対あり得ないはずの治療なしで授かれることもあります。

11/26 採精場所によって精液量が異なることが分かりました。自宅採精の方が商業施設採精より精液量が1.5~2倍になります。同じ日数の禁欲期間で、何度も比較しましたので間違いありません。横になってゆっくりできるからだと推察されます。今後は、多少持ち運び時間が長くなるとしても、自宅やホテルなどリラックスして時間が取れ場所での採取を心掛けたいと思います

11/27 タレントの後藤祐樹さんがインスタグラムを更新し、「人工授精から体外授精(顕微)に切り替わりました!」と不妊治療の進捗を報告しています。デリケートな部分の公表に対する賛否両論はありますが、誰にも言えずに何年もゴールの見えない暗闇のトンネルの中を夫婦二人きりで歩かなければならないように環境を整えていくべきだと思います。

11/28 女優のジェニファー・アニストンさんが、妊娠に苦労した過去を初告白されました。体外受精や卵子凍結など何でも試されたそうです。その中でも「(若い頃に)もし誰かが“自分のために、卵子を凍結して”と私に言ってくれていたら、(今)何だってあげたと思う。」という言葉が印象に残りました。

11/29 武井玲奈さん、佐々木希さん、新川優愛さんなど、芸能人女性の妊娠発表が続いています。芸能人に限らず、会社でも妊娠の報告が続出していますが、年末ムードに入る中で発表しやすい時期ということもあるのでしょうか。

11/30 著名人が妊娠を発表されるとき、「安定期に入りました」と言うことが多いですが、「安定期」とは、胎盤の形と機能が出来上がり、“安定的に”胎児に血液が送られるようになる、またつわりが落ち着く時期として一般的には妊娠5ヶ月以降(妊娠16週~)を指すことが多く、決して、「この時期を過ぎれば“妊娠が安定”し、トラブルが起きない」という意味の安定ではないので、無理をしないよう、させないように注意が必要です。なお、職場の上司への妊娠報告をする目安としては、自然流産の可能性が低くなる「妊娠3ヶ月(12週)ころ」とされています。男女雇用機会均等法では、重労働のほか、妊婦にさせてはいけない業務が定められているため、直属の上司への報告はできるだけ早めにしておきたいものです。もちろん、同僚などへの報告は安定期に入ってからでも十分ですので、業務内容に応じて、職場のみんなへの報告時期を上司と話し合っておけると安心です。