『R6.9月の日記』

9/1 2024年上半期の出生数が、前年比5.7%減の35万人(過去最少)であったことが分かりました。通年で初の70万人割れの可能性も出てきています。

9/2 年間の死亡数から出生数を引いた「人口の自然減」は、2023年約85万(和歌山県の総人口に概ね匹敵)、2024年約92万(香川県の総人口とほぼ同数)です。毎年、地方の県が1つずつ消えていっているような状況です。その一方で、人材不足を背景として新卒採用者の初任給は高騰していっており、何か歪が生じているようにも思います。

9/3 日本産科婦人科学会の発表によると、2022年に体外受精で生まれた子どもは77,206人で、9人に1人に相当することが分かりました。治療を受けた女性の年齢は42歳が最も多かったことから、42歳を上限とした保険適用の影響により、駆け込み需要があったとみられています。ついに10人に1人の壁を突破しましたが、2023年以降は更に増えて7~8人に1人になっていくと予想しています。

9/4 奈良県立医科大学では、お子さんが欲しいと願うみなさんをお手伝いするため、令和6年4月に「高度生殖医療センター」を開設し、「未来のパパママ」プロジェクトとして、新しい生命の誕生のため最新の治療を提供等を実施されています。

9/5 2025年度から実施予定の「多子世帯の大学無償化」は、3人目でも対象外になることがあるので制度の注視が必要です。「3人の子どもがそろって扶養家族」、「直近3年度ですべての収容定員が8割以上の大学」、「授業料免除の上限額は国立大学が約54万円、私立大学が約70万円」などの条件(案)が示されています。

9/6 この夏の日本の平均気温が去年に並び、最も高くなったことがわかりました。その理由について、気象庁は、太平洋高気圧に覆われやすかったためと分析していますが、太平洋高気圧に覆われやすかった理由も知りたいところです。

9/7 白露の季節を迎えましたが、ようやく暑さが落ち着いてきそうです。

9/8 20代の結婚は「同類婚」と言われています。「共働き希望」により、女性は自分ひとりで稼げる時代になってきて、男性にそこまで年収を求めないことや、反対に、男性は結婚相手に求める条件として、女性の収入を含めた経済力を求めるようになったことが背景にあるようです。

9/9 男子中学生が将来なりたい職業TOP3が、3位会社員、2位公務員、1位「YouTuber」(5年連続1位)というニュースを見て、改めて考えらせられるものがありました。趣味や安定という意識があるようですが、楽して稼げるという方向に集約していっているのではないか気になります。会社員などボヤっとした職業であることも、具体性に欠けるので気になります。会社員として何をやりたいかが大事なわけなので…。

9/10 日本人には精神的な支柱があまりないので、日本人を説得する言葉は「みんながやってるぞ」が効果的だと揶揄されます。

9/11 アパホテル社長の「強運 ピンチをチャンスに変える実践法」という本を読みました。「人付き合いはバリアフリーで」「苦境から逃げずに種をまく」「二兎を追うものは二兎とも得る」「いくつになっても遅いことなんて何もない」といったメッセージが印象的でした。

9/12 40代のシングルマザーの再婚率は令和4年には1割を超え、年々増加しています。血の繋がりがないステップファミリーが新しい家族の形をつくっていくには、母親と父親が笑顔であり、そして子どもたちに平等に愛情を注ぐことが大事なようです。

9/13 連続刺激周期により、採卵数が減ることや卵子の質が悪くなることはないようです。特に、1周期に2回採卵して比較した結果、発育卵胞数も、染色体正常卵の数は、1回目より2回目の採卵の方が多かったとの研究結果が出ています。(参照)『1周期1回の採卵と1周期2回の採卵

9/14 上記の続きです。連続採卵でも、3回連続採卵したら3回目が一番よかったという方が多数おられるそうです。お休み周期とするかどうかは、その周期の開始時のホルモン値(FSH、AMH)や超音波の所見をもとに判断することが大事なようです。(参照)刺激周期、低刺激、自然周期、お休み周期、連続周期(生殖医療解説シリーズ 番外編13)

9/15 排卵日予測は、主に基礎体温、排卵検査薬、卵胞径計測がありますが、スポーツで言えば、審判員やVARによる判定のようなものです。複数のアングルから、見逃しがちな排卵のサインを確認することが重要です。

9/16 個人による精子提供は、現地での受け渡しとなるため、交通費の実費を支払うことが一般的となっていますが、1時間ごとの金額を設定し、実際に移動した時間に合わせて報酬を支払うという「時間単価制」の仕組みが公正・公平なのかもしれません。

9/17 今年の中秋の名月はとても綺麗でした。もの思いにふける方も多かったのではないでしょうか…

9/18 PGT-Aを行い、モザイク胚しか得られなかった場合に、廃棄するか移植するか迷うことがあります。岡山県にクリニックでは、「正常胚とモザイク率50%未満の間には有意差はなく、モザイク胚で出産した児は全て健常児だった」との結果が報告されています。(参考)『PGT-A: モザイク胚を移植した場合

9/19 精神科クリニックの数は増えているのに、初診の予約が取れないこともあるようです。それだけ精神医療が身近になっていることや、地方では精神科クリニックの数が圧倒的に少ないことが要因と言われています。(参考)『メンタルクリニックは増えているのに…なぜ予約困難?

9/20 大谷翔平がMLBで大活躍の一日でした。投げて打って走って、何でもできる千両役者です。まさに「Shohei Ohtani does it!」です!

9/21 今日から秋雨で、ようやく夏の暑さも落ち着いてくるようです。

9/22 廃材を使って絵を描く画家がいらっしゃいます。とりわけ、文化芸術循環機構エコアートの代表である田村綾海さんが「100年後の未来」を描いた絵を見ると、人にやさしい環境について考えさせられます。改めて、芸術的な才能は大事だと感じました。

9/23 卵子提供を受けるために多くの日本人が台湾に渡航しています。海外は不安なのに何故かというと、それは、国内で比較的安価に卵子提供を受けられるクリニックがあることをご存知ないからです。

9/24 20代の方が1回目の提供でご妊娠されました。やはり、妊活を開始するのは早ければ早いほど良いと実感します。

9/25 深刻な少子化により、韓国は50年後に世界で2番目に老いた国になる見通しです。

9/26 自治体の子育て政策合戦が激化しています。「赤ちゃんギフト」や「おむつ定期便」など、こどもまんなか社会の実現に向けて、あらゆる支援策が講じられています。子育てが楽しいと思える環境づくりが必要です。

9/27 アル・パチーノから「僕の子どもを産んでほしい」との懇願を受けて、ビバリー・ダンジェロは49歳で双子を出産されています。女性の人生としては嬉しい選択なのかもしれません。

9/28 まさかの双子の妊娠報告をいただきました。二卵性双生児を妊娠されたのは初めてのことで、とても驚いています。自然妊娠で二卵性双胎を授かる確率は0.2~0.3%とされているので、奇跡的なことです。

9/29 ロボットやAIが発達するので少子高齢化は問題ないという説や、インフレにより日経平均株価がいずれ30万円台に乗るという説があります。案外、日本の将来は明るいのかもしれません。

9/30 福祉分野、とりわけバリアフリーの取組に関心が出てきています。ひとは誰もが幸せになる権利があります。それを実現するために、自分には何ができるのかを考えることが大事です。