『R7.9月の日記』
9/1 『HAPPY!子宝便り』という妊活アドバイザー林原晴香さんのブログがあります。メルマガで毎日のように妊活に役立つ情報が届きます。一番人気のブログは『英(はなぶさ)ウィメンズクリニックのハナブロ』となっています。妊活に当たり、一度ご覧になってはいかがでしょうか。【参考】『ベビ待ち・不妊治療・妊活ジャンルの総合ブログランキング』
9/2 『【12人産んだ】助産師HISAKOの子育てチャンネル』(YouTube)や、『自分らしく自由に働く4児のママ社長の仕事も子育てもうまくいく秘訣』(Instagram)は、経験に基づいた知識とノウハウを発信されており説得力があります。妊活や育児の指針として参考になるかと思います。
9/3 「25年上半期の出生数、33万人、過去最少、3.1%減」、「体外受精で生まれた子供、8人に1人、8万5千人、過去最多」と発表されました。少子化と晩婚化が進んでいる証拠です。多様な選択肢のある社会が実現していることは素晴らしいと思うものの、日本の未来のことを考えると焦りしかありません。
9/4 男性の未婚化に関して、ここ10年間で、経済力の差による未婚の壁が拡大しています。いわゆる「結婚300万円の壁」が「470万円の壁」まであがっています。恋愛強者か経済強者しか結婚できない現状の改善こそ、少子化対策の最優先課題だと考えています。
9/5 内閣府の生命倫理専門調査会が、ヒトの人工多能性幹細胞(iPS細胞)や胚性幹細胞(ES細胞)から作製した精子と卵子を受精させる基礎研究を条件付きで認める報告書を取りまとめました。2010年の指針で作製は認められていましたが、受精は禁止されていました。不妊症の原因解明や遺伝性疾患の研究などに役立つことが期待されます。
9/6 着床前検査の対象者について、これまで流産等を繰り返す夫婦などに限られていたところ、9月8日から高年齢(35歳以上)の不妊症の夫婦にも広げられます。PGT-Aは、妊娠率を上げるというより、流産リスクを減らすものとされていますが、体外受精の身体や時間の負担の大きさ、保険適応での胚移植に回数制限もあることを考慮すると、年齢に限らず、保険適用で受けられるようにすべきだ思います。
9/7 嬉しい出産のご報告をいただきました。元気で体も大きく、たくさんミルクを飲み、よく寝てくれる可愛い赤ちゃんとのこと、喜ばしい限りです。
9/8 日本は「世界一安全なお産ができる国」といわれています。出産費費用の無償化には賛成ですが、保険適用は「最低限のお産」に近づいていくリスクがあり、踏み留めることも含めた慎重な検討が必要です。
9/9 不安やプレッシャーから妊娠を公表せずに出産される著名人が増えています。妊娠報告は仕事関係や周囲の人は必要ですが、プライベートなことなので、世間に向けて大々的に発表する必要はないと思っています。妊活中の人にとてはストレスになることもあるので、公表したいとしても、無事に生まれてきてくれてからの報告が一番ではないでしょうか。
9/10 世界で5本の指に入る大富豪のウォーレン・バフェット氏は、「仕事場から近い家1軒と、子どもの成長などいい思い出がたくさんあれば、それで十分です。」とコメントしています。必要以上のお金があれば、子どもとの思い出が、人生で最も大切なものかもしれません。
9/11 資本主義社会では「株価」が全てを決めていきます。資本主義社会は人口が増加するほど成長し、「株価」とは「未来の期待値」のことなので、下がっても、必ず戻します。下がった株は売らずにホールドです。下がったときに一番やってはいけないことは、焦って売ること、そして上がった後で買うことです。下がったときは、売り時ではなく買い時です。
9/12 連日、アメリカと日本の株価が史上最高値を更新しています。もちろん、この先急落する可能性もありますが、例え、持株が買った時の6割に下落したとしても、損切りせずに長く所有すること、一喜一憂しないことが正解です。
9/13 いくらお金と子宝に恵まれても、本人の理念次第で良くも悪くもなるものです。
9/14 ご厚意による面会で、3歳になるお子様をお披露目していただきました。超絶イケメン君で驚きました!将来が楽しみです。
9/15 敬老の日、高齢者が総人口の29.4%に達し、30%超えも目前となりました。人口4千万人以上の国の中でトップで、ゾンビ大国とも揶揄されています。少子化対策について、有効な政策がとられていない中、精子提供活動が少しでも貢献しているようなら幸いです。
9/16 妊娠可能な周期の間、30個以上の卵子が成熟しますが、自然周期の場合、実際に卵胞が破裂して卵子を放出するのは、最も発達した卵胞だけです。なかなか授からないときは、体外受精の刺激の高い排卵誘発により、1個でも多くの卵子を採卵することが有効だと考えています。
9/17 卵子凍結に関する海外の研究によると、採卵から出産に至るまでの推移は、年齢や個々の条件により異なりますが、採卵率(89.9~96.9%)、凍結融解後に受精に臨める率(86.0~96.8%)、受精率(71~79%)、着床率(17~41%)、胚移植当たりの妊娠率(36~61%)となり、最終的に卵子1個あたりの妊娠率は4.5~12.0%と報告されています。また、36歳未満であれば、20個の卵子があれば70%、25個あれば95%の確率で一人以上の赤ちゃんを得ることができるのに対し、36歳以上では、20個の卵子でも一人以上の赤ちゃんを得ることができる確率は50%で、それ以上卵子があっても出産率はあまり高くならないとされています。
9/18 最近、着床前診断(PGT-A)を受けられる方が増えていますが、医療法人オーク会によると、正常胚とモザイク胚の比較では、着床率は70%:53%、流産率は10%:25%、妊娠継続率は63%:40%とされています。また、医療ジャーナルでは、「モザイク胚盤胞を移植し、移植胚あたり44%の着床率、33%の生児獲得率が得られた」、「モザイク率が50%以下の胚盤胞は胚移植周期あたりの妊娠継続率は40.9%、生児獲得率は38%」との報告もあります。【参考】『PGS(着床前診断)でのモザイク胚の妊娠率や着床率について』『着床前遺伝子診断の現状と今後の課題』5ページ「4.モザイク胚の取り扱い」
9/19 体外受精において、国内最大手の不妊治療専門クリニックで良質胚盤胞ができなくても、某病院の新たな治療方法では良質胚盤胞が複数凍結できることがあります。なぜ上手くいくのかは分かりませんが、プロラクチンやホルモンの数値を確認しながらのオーダーメイドの治療や、培養士さんの技量によるところが大きいのかなと考えています。
9/20 胚同士が補い合うなど、何らかの相乗効果が働き、2個移植の方が着床しやすいということは実際にあるようです。相乗効果で妊娠しやすくなるわけではなく、あくまでも、時間短縮のために有効という見解もありますが…【参考】『2個移植に関する医学的見解』
9/21 胚の成長スピードと胎児の性別に有意な差があるようです。ある研究では、胚盤胞(5、6日目)について、成長スピードの速い胚(グレード5、6)は、72%が男の子で、逆に、成長スピードが遅い胚(グレード3以下)は、60%が女の子だったという結果が出ています。産み分けを希望される方にとっては、体外受精で移植する胚を選択する際の1つの検討材料になるのかもしれません。【参考】『胚の発生スピードが示す意外な事実』
9/22 彼岸の季節となり、気温も下がって秋の気配を感じる今日この頃、ご懐妊の嬉しいご報告をいただきました。「秋うらら 心を安らげ 健やかに」「秋風に 乗りくる便り 待つばかり」、心穏やかにお身体を大切にお過ごしください。心拍確認の、さらなる吉報を心よりお待ちしております。
9/23 流産を複数回繰り返す場合、「抗リン脂質抗体症候群」という不育症が疑われます。1人目の出産を機に自己抗体ができ、妊娠が継続しにくい状態になってしまうことがあるようです。
不妊治療をテーマにした作品(コミック)が増えていますが、体外授精は受精卵を引き当てる超高額なガチャなのではないかと指摘したマンガ『私が妊活ガチャ沼にハマって400万円を溶かした話』が話題になっています。
9/24 100均の掃除グッズを100均の修理グッズで再生する。お得なようでお得でないような、不思議な気持ちですが、物への愛着は湧いてきます。
9/25 一組の夫婦が3人の子どもを産まないと人口が増えない一方で、3人の子どもを持つことが「子沢山」と認識される現代において、少子化対策は非常に難しい課題です。
9/26 ベビーシートの設置から退院の送迎、初宮参りの同伴など、様々な出産に関するイベントをご一緒させていただきました。特にシングルマザーの方など、産後の慣れない育児について、おぼつかなければ、微力ながらもサポートさせていただいております。
9/27 保険適用と自由診療は併用できないので、オプションを希望する場合原則すべて自費負担になります。不妊治療は原因を特定するのが難しく、オプション検査や治療が必要なケースも少なくありません。
9/28 「卵子凍結」を推奨する動きがありますが、高齢出産は母体への負担もかかります。ましてや、卵子凍結をしていても100%子どもを持てる保証はありません。海外の研究報告では、最終的に生児を得たのは約4人に1人で、決して多くないことがわかります。
9/29 胚盤胞まで成長する受精卵は、採卵した卵子の30%程、更に、胚盤胞まで育っても30歳で3個に1個、35歳で2個に1個、40歳を超えると4個に1個しか正常胚はないと言われています。しかも、正常卵でも着床するとは限りません。30歳の方が10個採卵できても正常卵は1個しかできないため、2回目の採卵に進むことになる可能性もあります。
9/30 PGT-A結果により、4ABより4BAの方が染色体数正常胚の割合が高く、ICMよりTEグレードが良い方が妊娠率は良いことが明らかになっています。つまり、移植胚を決める時には、ICMよりTEのグレードを優先し、4ABより4BAを優先的に移植すべきという結論がついています。【参考】『仙台ARTクリニックスタッフブログ例年と違う、今年の学会』