『提供精子による人工授精の妊娠率について』
兵庫医科大の分析により、提供精子による人工授精(AID)の妊娠率が5%にとどまることがわかったそうです。
そのおもな要因は、人工授精に際し、提供精子が感染症予防のためにいったん凍結されることであり、凍結により、受精する機能が落ち、妊娠率が低くなるようです。
妊娠率を高めるために、提供精子による体外受精や顕微授精の検討や法整備も進めるべきとの意見も出ているようですが、妊娠を望まれる方々のご期待に一刻も早く応えられる社会になることを願いたいと思います。
併せて、精子提供者(個人ドナー)は感染症検査を定期的に受診し、必要に応じて提供依頼者に検査結果を提示することが、モラルとしても求められると感じています。
妊娠を望まれる方に、子どもを育てられる環境や育てたいという意志があり、出自を知る権利の整理を含めた子育てのビジョンがあれば、日本の将来を考えた時に、技術的・資金的な支援を拒む理由がどこにあるのでしょうか。
ましてや、夫が射精した精液に精子がいない「無精子症」であるなど、夫の精子で妊娠できないごく一般の夫婦であるならば尚更です。