『R7.10月の日記』
10/1 「おすすめの排卵検査薬は何ですか?」 と尋ねられることがありますが、海外製の『ワンステップ排卵検査薬』は、感度が20 mIU/mLと高く、排卵の約35〜44時間前(約2日前)から陽性反応を判定できるという特徴があります。ただし、体質などにより、日本国内で販売されている排卵検査薬でないと反応が出にくいと感じる方もいらっしゃいますので、いくつか試してご自身に合うものを探すのが良いと思います。正確に排卵日を予測するためには、基礎体温を測ってご自身の排卵周期を把握し、予測排卵日が近づいたら、毎日朝と夜の2回、排卵検査を行うことをおすすめします。この方法で、排卵日2日前の最も妊娠に適したタイミングを捉えることができます。
10/2 小さな子どもが1人いる親で『2人目を望む人の割合が33.3%となり過去最低となった』というニュースが報じられました。その背景には、収入や働き方に対する不安、いわゆる『2人目の壁』があるとのことです。少子化は、国家レベルで見れば経済的に大きなデメリットとなりますが、家庭レベルの経済状況に限定すれば、(家計の)支出が抑えられるという側面はあります。とはいえ、子どもはかけがえのない存在で、親になってみないと分からないほどの大きな充実感や幸福感をもたらしてくれます。しかし、こうしたポジティブな感情を公に口にすることは難しく、インターネット上には子育てに関するネガティブな情報が目立ちがちです。また、子どもにとっても兄弟姉妹がいることには安心感があるため、子育てや支援を考える際には、一人っ子の立場にも立って、その状況を理解することが大切だと考えます。
10/3 2人目を望む人の割合が33%だからといって、決して33%しか2人目を産まないわけではありません。そもそも第一子を産んだ人が第二子を産む割合は77%で、20年以上全く変わっていません。それどころか、第二子→第三子以上の割合は、2004年の37%(最低)と比べて、2024年は46%と格段に増加しています。一方で、初婚→第一子という初婚発生出生数は減少していることから、真の課題は「2人目の壁」ではなく「1人目の壁」であることが明らかになっています。子どもを持つことを後押しするためには、周りに世話を焼いてくれる人の存在など、周囲の協力や、地域・社会全体での継続的なサポートが何よりも大切だと考えます。
10/4 高市早苗氏が自由民主党の第29代新総裁に選出されました。今後、臨時国会で内閣総理大臣(第104代)に指名されれば、憲政史上初の女性首相が誕生することになります。内閣総理大臣は、初代の伊藤博文から現職の石破茂氏(第103代)に至るまで、一貫して男性が務めてきました。高市氏は総裁選出後、「自民党の新しい時代を刻んだ、景色が変わる」と決意を語っています。女性ならではの視点や男女平等の理念に基づき、日本が抱える多様な問題を解決してくれることに期待が寄せられています。
10/5 『26世紀青年』というSFコメディ映画があります。この映画は、IQ130以上の知能の高い人々が計画的に子作りを控える一方、IQ85前後の知能の低い人々が本能のままに次々と子供を作り続けた結果、人類の知能指数が全体的に低下した未来を描いています。2005年、平均的なIQを持つ軍人(IQ100)のジョー・バウアーズは、極秘の冷凍睡眠(コールドスリープ)実験に参加しますが、担当者の不祥事により実験が忘れ去られてしまいます。ジョーが500年後の2505年(26世紀)に目覚めたとき、世界は一変していました。知能が著しく低下した人々は下品な言葉(スラング)で会話をし、低俗なエンターテインメントに熱狂し、あらゆるものが非常識で荒廃したディストピアと化していました。平凡であったはずのジョーは、その世界で世界一の天才と見なされることになります。何もかも非常識な世界で彼は何を思うのでしょう。
10/6 ED治療薬が、国内で初めて処方箋なしで購入できる市販薬となることが、厚生労働省の専門部会で了承されました。この背景には、国内のED患者が推定1,400万人に上り(成人男性の約3人に1人)、羞恥心などから約8割が専門の医療機関を受診していないという問題があります。この市販化が実現すれば、患者がED治療薬にアクセスしやすくなり、不妊治療(妊活)の選択肢が広がることで、結果的に少子化対策への寄与も期待されます。
10/7 アメリカの大学の研究チームが、ヒトの皮膚細胞から受精可能な卵子を生み出すことに成功しました。これにより、高齢の女性や男性同士のカップルも子どもを持つことができるようになります。しかし、今回得られた胚盤胞は、すべてが染色体異常を示しており、健康な子どもの誕生には至っていません。この技術が安全で有効な臨床治療として利用できるようになるまでには、さらなる研究と倫理的な議論が必要であり、実用化には少なくとも10年あるいはそれ以上の期間がかかると見られています。【参考】『ヒトの皮膚細胞から卵子を作製、不妊治療に新たな扉』
10/8 俳優のジョン・シナ氏は、自らの意思で子どもを持たない生き方を選択する「チャイルドフリー」を公言しています。その理由として、子どもを育てるために必要な時間や献身、投資の大きさを理解した上で、現在のキャリアと生活において「人生をありのままに生き、まだやりたいことに集中したい」という考えを表明しています。
10/9 6年間の不妊治療を経て授かった娘さんは、出産時に重度の仮死状態(新生児仮死)となり、直ちに低体温療法(脳低温療法)を受けられました。その後のMRI検査の結果、**脳の運動を司る領域に損傷(脳性麻痺につながる可能性のある脳損傷)が確認され、「将来的に麻痺や発達上の障がいが残る可能性がある」と告げられたといいます。しかし、それから7年が経過した現在、娘さんは多くの困難を乗り越え、無事小学生になりました。この事実は、同様の状況で悩んでいる方々に大きな希望と勇気を与えてくれるのではないでしょうか。生命の力は本当に素晴らしいものです!
10/10 タレントの菊川怜さんが、トーク番組「徹子の部屋」で、3人のお子さんの出産について語られました。41歳の時の初産では、常位胎盤早期剥離という、胎児と母体双方に危険が及ぶ状態で、約2リットルに及ぶ大量出血を伴う命がけの出産だったそうです。しかし、無事出産を終えられました。2人目の出産については、その経験から恐怖心があったものの、医師から「常位胎盤早期剥離の再発率は高くなるわけではない」という説明を受け、実際に2人目、3人目と出産が比較的楽になっていったと振り返られています。41歳で初産を経験し、現在は幼い3人のお子さんを抱えるシングルマザーとして、ドラマや映画に復帰されていることは、とてもすごいことです!【参考】『三児の母・菊川怜さん、41歳での初産は「2リットル出血」母子ともに危険な状態だった。常位胎盤早期剝離とは?』
10/11 射精後は、プロラクチンホルモンの放出により、強烈な疲労感と眠気にみまわれます。「一度の射精は200メートルを全力疾走するのと同じぐらい体力を使う」とも言われます。朝早くからの提供だと、その日の仕事はとてもきつくなります。運動会の後に出勤するようなものです。無償の精子ドナーは生半可な気持ちでは継続できません。
10/12 親が人生の経験を通じて獲得した後天的な性質や体質の変化が、次世代に影響を与える可能性があることが分かってきています。これは、食事や運動といった経験の一部が、精子のDNAに付加された「エピジェネティックな情報」(DNAスイッチ)を介して受け継がれ、子どもの健康状態に影響を与えると考えられているためです。例えば、肥満の男性の精子においては、食欲を増進させる遺伝子の発現や脂肪を蓄積する遺伝子の発現を調節するスイッチが変化しており、その結果、子や孫がメタボリックシンドロームになりやすくなるリスクが高まるとされています。生活習慣の改善などの精子(の健康)トレーニングによって、このエピジェネティックな情報(DNAスイッチ)をリセット(調整・最適化)することで、子や孫の健康状態をより良い方向に変えることができる可能性があります。どのようにすれば次世代に良い影響を及ぼすことができるのか、世の男性、特に精子ドナーはこの知見を真剣に受け止め、考慮に入れる必要がありそうです。
10/13 「血縁」よりも「文化的なDNA」(受け継がれる価値観や生活様式)の方が大切だと気づけば、多様な家族のあり方を受け入れることができます。例えば、特別養子縁組で親子になったご家族がファミリーホームを運営されています。辛い経験(困難な境遇や感情)を知っているからこそ、心を開いて他者と接することが上手にできるのだそうです。また、実の親が子どもに何をしてあげられるかは一律には測れないため、生みの親が子どもを育てられないことを「罪」だとは思いません。